2022/02/08 00:04


こんばんは。UNCUTSです。

少し時間空いてしまいましたが、前回の続きを書いていこうと思います。


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早速、素案づくりに入ります。まず自分の中でのリファレンス決めから。今回のコンセプトは「ポジティブな別れ」「再出発」なので、まず「別れ」のイメージを模索します。

昔描いたベッドの絵がキッカケとなり、今回の依頼に繋がったそうなので(KROさん談)、「人物」はおそらく登場させた方がよい気がしていました。


「別れ」と聞いて普通に思い浮かべるのは「人と人が離れていく」ような、そんな風景ではないでしょうか。

▼こんなのとか。


でもこうしたイメージって、なんか、「ネガティブ」に見える気がしませんか。喧嘩したのかな、とか、どっちかの気持ちが冷めちゃったのかな、とか。感じるものは そうした負の感情の方が大きい気がします。


今回のテーマはあくまで「ポジティブな」別れ。要は、お互いのことを大切に想う気持ちは生きているので、「別れを惜しむ」ようなイメージの方が近い。しかし「別れを惜しむ瞬間」にフォーカスしてしまうと、端から見たら「ラブラブ」に見えるというジレンマを抱えています。


例えば ↑ これ。別れを惜しむ姿のようにも見えるが、ラブラブなようにも見える。


ここら辺の塩梅が難しいところでした。


人物を登場させると「ネガティブ」ないし「ラブラブ」になってしまう。どちらも表現せず「抽象的」にしてしまうと、その絵は「俺が描く」部分での必要性を失う。


あ〜でもない、こ〜でもないと、検討に検討を重ね「カップルを描くのはやめよう」と結論しました。つまり、人を描いても「どっちか1人」。直接カップルを描くのではなく、カップルを「匂わせる」ようなものにしようと。


そこで今回のもうひとつのコンセプトである「再出発」に思考が移ります。再出発というと「道」や「足」のイメージ。「道・足」に加えて「カップル」。そこから想像できるものといえば、「車」ですよね。


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こうして〈車でポジティブな別れを暗喩する〉という方向に固めます。ここまで固まって、ようやくラフに着手。


▼ラフ案①

車のサイドミラーから去っていく彼女を見つめる、そんな瞬間のラフです。絵自体にサイドミラーの役割を持たせています。

右側は車のボディ。道を挟んで左側に海が広がります。この絵に込めたストーリーは、〈一緒にドライブした海辺を最後に走った。彼女は遠くに見える街(=夢・目標)に向かって歩いていく。もう一緒に歩くことはできないけれど、後ろ髪を引かれる想いで、ついついサイドミラー越しから見つめてしまう。〉といったところでしょうか。


▼ラフ案②

こちらは人を登場させない案。オープンカーと空のラフです。

一緒にいた時間を思い出すものとしての車。再出発するものとしての車。車を通した「心理的な過去と未来の往来」にフォーカスしました。


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そして、採用された案は、3案目のこちら(Spotifyに遷移します)


ラフ1とラフ2を混ぜた、「車にフォーカスしつつも、サイドミラーが絵の焦点になる案」です。サイドミラーには何も写っていないところがポイント。歌詞を聴きながら、思い思いのストーリーや光景を拡げていただければと思います。


そういえば。空音さんの歌い出しが「潮風で錆びた90'sのレトロカー 」なんですよね。そこも、なんかドンピシャで良かったなぁと。


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いかがでしたでしょうか。ラフ公開するのは恥ずかしいですが、読んでくれている方が楽しんで頂ければそれでいいです。


今回は納品までの時間があまりなかったので、絵のモチーフも連想ゲームのように固めるというアプローチを取りました。もっといろんなアプローチができるように、引き出しを増やしつつ。抽象的な絵を書いても「UNCUTSの絵だ」と分かるようなスキルをつけていきたいと思います。


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